SSブログ

キャラ化する龍馬 [TV]

月並みな話題で恐縮だが、tbsドラマの「JIN-仁-」を再放送で見始めた。現代の外科医が幕末の江戸にタイムスリップしてしまうというお話。決して綾瀬はるかを見たくて見ているわけではない。

主演の大沢たかおが年甲斐もなくまっすぐな演技をしている。必要以上にはきはきとした発声。実際の大沢が悪人だろうが善人だろうが、このドラマでこの演技はなかなか良い。

個人的に思い出されるのはやはりドラマ版『深夜特急』だ。あの頃、たまたまイランやトルコを旅行する機会があったのだが、宿や船の上で、多くの「ぷち大沢」、「ぷち沢木」に出会ったものだ。黒海フェリーの船上からブランデーをどぼどぼと海に注いでいる輩が本当にいたのには、大いに驚いた。まあ、わざわざそんな船に乗っている時点で、僕も人から「ぷち大沢」と見られていたかもしれないが。

さてこのドラマ、どうやら坂本龍馬がかなり重要な役割を担っているようだ。第一話から現れる、ぼさぼさ頭の浪人者、豪快に笑い、語尾は必ず「ぜよ」。実際の龍馬なんて1度も見たことないのに、これだけの設定ですぐに龍馬と分かる。国民的想像力のたまものである。

特にこの「ぜよ」という語尾に注目したい。もちろん、これが土佐の方言である、ということは知っているが、多くの日本人にとってはこれは「土佐弁」というよりは「龍馬の口調」と認識されているのではないだろうか。ちょうど、アニメの個性的キャラクターが、それぞれ独特の口調を持っているように。

例)
「ミーはおフランス帰りざんす~」
「早くプリキュアに変身するメポ!」
「日本の夜明けは近いぜよ!」

実在の坂本龍馬という存在から始まり、司馬遼太郎他多くの作家たちによって膨らまされてきた龍馬像は、幾多のドラマ化、映画化を経て、今や立派な「キャラ」として認識されているかのようである。そしてその「キャラ」に血肉を与えているのが、「ぜよ」という語尾である。

日本の偉人の中でも龍馬が際だった人気を誇っているのには、この独特の語尾も大きな役割を果たしているような気がしてならない。
nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。

トラックバック 0

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。