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ヨネスケ・ニュールック [音楽]

61d9da10.jpg「黄金のノドを持つ」エジプト人歌手アリー・エル=ハッガールが、6年間の不在を経てカセット市場に戻ってきた!という記事。

アリー・エル=ハッガール、ニュールックで登場

って特に思い入れのある歌手ではないのですが、記事中の「ニュールックنيولوك」写真にはびっくりしました。常々僕は彼のことを「ヨネスケ」と呼んでいたのですが、そのヨネスケがロン毛ですよ!

「黄金のノド」という通り、歌唱力のある歌手で、僕が知る限りでもアンガームなんかとデュエットしたりして、正統派アラブ歌謡の担い手として定評のある歌手でした。それがまさかここに来てロン毛とは!ハーレド・アッガーグの茶髪の時もびっくりしましたが、やはりエジプトのおじさん歌手も若者にアピールしないといけないんですねえ。

(さて「ニュールック」という言葉。アラビア語では外来語扱いで"niyuuluuk"とつづられています。面白いのは記事中にある"niyuuluuk jadiid"(新・ニュールック)という使い方。頭痛が痛い?)

参考までに、古いヨネスケ写真はこれ。

haggar2

ちなみにこの写真を探す過程で、彼にも公式サイトが存在することを発見したのでクリップしておきます。

AliElHaggar.com

これによると、生年は不詳ながら、歌手デビューが1977年、大学卒業が1979年とありますから、年は40代半ばでしょうか。アムルとそんなに変わらないので、今回のロン毛もふしぎではないのかも知れませんが...

2005年ベストアルバム [音楽]

1a03cfcb.jpgお正月気分もすっかり抜けきった頃になり恐縮ですが、今年もやりたいと思います。2005年、独断と偏見のベスト5。

勿体ぶらずに上から順にリストアップしましょう。

1位 ムハンマド・ムニール「昨日私は20歳だった
2位 シーリーン「ラーゼム・アーイシュ
3位 ハイファ・ワハビー「バッディー・アーイシュ
4位 ミリヤム・ファーリス「ナーディーニー
5位 ハマーダ・ヒラール「アイヤール・ハビーバ

これに次点(新人賞?)としてヤーラの「トゥワッサー・フィーヤ」を挙げておきます。

ムニールとシーリーン、どっちを1位にするか正直迷いました。決め手は、シーリーンの後半バラードづくしでちょっと飽きが来たのに対し、ムニールは捨て曲無し、全部かっこいい!というところでしょうか。しかしシーリーンは間違いなく去年一番の収穫です。こういう若い女の子歌手がいてくれるのは、エジPOPの未来は明るいですよ。

あと、我ながら意外なことに、ハイファが入ってます(笑)。これって2005年リリースだったんですね。3月に買って聴いているので、僕のi-podでの再生回数がかなりの数に上っています。ってこういうことを告白すると、またぞろ品性を疑われそうですけどね。ちなみに再生回数で言えば、去年一番たくさん聴いたのは実はナンシーのアルバムだったのですが、「アー・ウィ・ノッス」は2004年にもう挙げてあるので、今回は対象外としました。

1,2,5位とエジプト人歌手が入ってるところはまあ、エジPOPファンのブログですからね、ここは。5位のハマーダは映画を見ちゃったからと言うご祝儀みたいなものですが。でもハマーダのJBカバー曲が恐ろしく下手っぴだったのは笑えました。

年が明けてから届いたカーゼムとアムル、それからジャドのCD、一応聴いているのですが、ちょっとまだ評価するには早い感じなので、今回は除外しました。いや、カーゼムのは今回はちょっと、全然僕の好みじゃなかったかも。アムルはいつも通り、いい感じですが。

新譜到着 [音楽]

0cd14d8a.JPG年末に頼んでいたCDとDVDとVCDが昨日ようやく届きました。

それにしてもArabia tower、パッケージを見る限り、どれもこれも劣悪品ばかり。スキャナで取り込んだ上の写真からでも、その劣悪さがお分かりかと思いますが、これ明らかにカラーコピーですよ。CDも、CD-Rで焼きましたってのが丸わかり。恐ろしいことに、こういう劣悪品が、シリアではおそらく正規品として売られているらしい。まあエジプトでもザマーレクのDiwanという高級書店でさえこの手の劣悪CDが置いてありますし。

で、さらに恐ろしいのは、先ほどこれらのCDをi-tuneで読み込んでみたところ、ちゃんと正しいアルバム情報をダウンロードして来るということ。正規品と海賊版の区別が希薄なんですかねえ。なるべく海賊版は買わないようにしているのですがねえ。見れたらそれでいいじゃん、って片づけてしまうのも気が咎めますが、これがシリアの正規盤なのだ、と開き直られてしまうと怒るわけにも行きません。

紅白でアラブポップスの今後を占う [音楽]

年末年始は能登の実家でのんびりしてきました。ただし元日帰京。

大晦日のNHK、昼間にやっていた紅白の総集編で、昔懐かしの鈴木健次アナウンサーが「私に一分だけ時間を下さい」と叫ぶシーンを見た。引退を決めて紅白のステージを終えたばかりの都はるみを引き留め、お得意の「気配り」でもって最後のアンコールをせがむのである。20年ほど前の紅白になるだろうか。あまりにしつこくせがむ鈴木アナに対して、「もうとっくに一分たっとるがいね(たっているじゃないか)」と家族でつっこみを入れていたのを思い出す。

さてアンコールを歌う都はるみは、すでに泣きくたびれて、とても歌えるような状態ではなかった。そこで紅組の出演者が総出で都を取り囲み、都の代わりに「好きになった人」を歌う。そしてその時、テレビには驚くべき光景が繰り広げられていたのだ!

都の右側に寄り添って歌う、水色のドレスの女性歌手はなんと、
nancy
ナンシー...じゃなくって、八代亜紀だった!

そしてその反対側にいるのは誰あろう、
sherine
シリーン...ではなく水前寺清子である。

今から20年ほど前の日本の紅白歌合戦で、現在のアラブ芸能界の趨勢を暗示するかのような光景が繰り広げられていたとは、全くもって驚きである。この2人の実力派に見守られて現役を去る都はるみ(このあとすぐ復帰するのだが)、彼女を誰に見立てるかは、読者諸氏にお任せしたい。

今年も、アラブポップスから目が離せそうにない(どういう落とし方だ!)。

ラーハがルーヘでシーメを食う [音楽]

82b0d764.JPGO'french music club !というサイトでつい最近存在を知り、何となくfnacの通販で購入したCD。夏にパリに行った時に、ラシード・ターハーのCDを三枚組でかなりお買い得値段で買ったけど、フランスではどうやらこういう三枚組セールが流行っているらしい。これからフレンチポップを攻略しようと言う向きにはもってこいのセール企画と言えましょう。

アーティストはZEBDAというバンド。フランス語でアラブ人のことをarabeというけど、「ベルラン」という俗語表現では、それをひっくり返してbeurというらしい。

(「アラーブ」をひっくり返して「ブール」という音になる、っていうのは実はよく分からない。フランス語話者には違和感のないことなんだろうけど。もちろん、ひっくり返すと格好良くなる、っていう感覚は、日本の音楽業界用語で「女」を「ナオン」、「飯」を「シーメ」と言ったりするのと通じるし、理解できる。エジプト方言で"zawj"(夫)が"goz"になるのもベルラン表現?閑話休題)

で、beurという発音はbeurre(バター)という単語に聞こえる。で、バターをアラビア語ではzebda(フスハーではzubda)というので、それをバンド名にした、っていう集団だとのこと。

こんなひねくれた名前の由来を聞いただけで、僕はたちまちこのバンドに興味を覚えてしまった!

さてふたを開けて聴いてみると、ややアラブっぽい、というかマグリブっぽい音使いも聞こえるけど、全体的にスカパンク。マノネグラやレ・ネグレスベルトを彷彿とさせる。というかマノなんかよりもこのゼブダの方がキャリアは古いはずだから、むしろこっちがマノに影響を与えたんだろうなあ。

タイトル曲の"le bruit et l'odeur"は、上述のサイトのレビューによると、パリ市長時代の元フランス大統領ジャック・シラクの演説の内容を揶揄したものらしい。歌の終わりの方に、そのシラク演説がサンプリングされていて、確かに"le bruit et l'odeur"という言葉を吐いているのは確認できたんだけど、歌詞カードにはその部分のトランスクリプトが載ってなくて、全体的に何て言ってるのかは分からなかった。

だけど今ざっと検索をかけてみたところ、演説部分も含む歌詞前文を載せているサイトがたまたま見つかったので、以下に貼り付けておきます。

Paroles.net - Zebda - Le bruit et l'odeur ?
Jacques Chirac:
Comment voulez-vous que le travailleur fran�ais qui travaille avec sa femme et qui ensemble gagnent environ 15 000 FF et qui voit sur le palier � c�t� de son HLM entass�e, une famille avec un p�re de famille, trois ou quatre �pouses et une vingtaine de gosse et qui gagne 50 000FF de pr�station sociale sans naturellement travailler.
Si vous ajoutez � cela le bruit et l'odeur, eh bien le travailleur fran�ais sur le palier, il devient fou. Et ce n'est pas �tre raciste que de dire cela.
Nous n'avons plus les moyens d'honorer le regroupement familial et il faut enfin ouvrir le d�bat qui s'impose dans notre pays qui est un vrai d�bat moral pour savoir si il est naturel que les �trangers puissent b�n�ficier au m�me titre que les Fran�ais d'une solidarit� nationale � laquelle ils ne participent pas puisqu'ils ne payent pas d'�mpots.

フランス語、得意じゃないですが、意訳するとこんな感じでしょうか。

「皆さん、どう思われますか?共稼ぎで15000フラン稼いでるフランス人労働者のことを。彼は集合住宅の踊り場でぼーっとしてて(?)、妻は3,4人、20歳過ぎの子供もいて、5万フランの社会保障を働かずにもらっている。これに騒音と悪臭を付け加えれば、もう気違いじみたことです。こんな風に言っても、人種差別にはならんでしょう。...」

全部訳す体力はなかったですが、こんなもので勘弁して下さい。パリ市長時代のシラクですから、今から10年以上前だと思いますが、なんだか最近のフランスでの暴動に対する内相の発言なんかと通底する、ある種の考え方が見えてくる気がします。

シラク氏のおっしゃるとおり、氏の発言は「人種差別」にはなりませんよ。むしろ、「階層差別」です。ていうか「差別全般」です。差別する側から見れば、差別される側が厳密にどういう集団かなんて、どうでもいい話なんですから。だからそれを移民と呼ぼうがブールと呼ぼうが、社会のくずと言おうがニートと言おうが、一緒なワケです。

えっと、歌の感想から離れてしまいましたが、Zebdaというバンド、サウンド面でも歌の内容でも、文句ない格好良さでした。

12/2追記
上記O'french music clubに掲載されている『ゼブダのフランス 1981-2004』についての骨太のブックレビューも参照。勝手にリンク貼ってますがすみません。

これが私たちの夢 [音楽]

6f83240f.bmp1998年(頃)に発表されたアラブ版We Are the Worldこと『アラブの夢الحلم العربي』。

留学前の短期カイロ滞在中に、エジプト人の知人からこの歌の存在を知らされ、かろうじてカセットテープは入手した。この歌、当時は大変な人気で、曲を作ったのはアムルやハキームの生みの親ハミード・アッシャーイリー、20人以上の歌手がアラブ中から集まってのレコーディング、ビデオクリップはエジプトではしばらく放映禁止となるなど、箔付きまくりの話題作だったのだ。

ちなみに「放映禁止」というのは、今のルビーやマリアみたいなのとはワケが違って、「反イスラエル」というこの歌の主張がエジプト政府の公式見解と対立したためだと言われていた。エジプトのインテリは、禁止になっていたこの歌のビデオをどうしても見たくて、他のアラブ諸国から録画ビデオを取り寄せたとも言う。

しかし、なにぶん僕の留学以前のことでもあり、カセットテープ以外の具体的な情報がほとんど手元にない。せめて20人以上という歌手のリストでも欲しいのだが、声を聞いても識別できるのは巨漢歌手ナビール・シュエイルと、ディヤナ・ハッダード、エジプトの細川たかしことイハーブ・タウフィーウ、あとアサーラらしき人の声も分かるか。後にこの曲にはかのカーズィム・アッサーヒルも参加したらしいのだが、カセット版に彼の声は入っていない。

とりあえず英語でArab Dreamと打ってググると、以下のサイトが見つかる。アラビア語の歌詞が英語対訳付きで全文掲載されているし、歌のダウンロードもできる。まずは興味のある方、聴いてみて下さい。

The Arab Dream

ちなみに一番目の合唱後、トップバッターで歌うのが巨漢ナビールです。

留学中、ナイルTVの番組で、この歌をプロデュースしたヒルミー・バクル(アサーラの夫)のインタビューを見た時に、彼が、「ナビールにはマイケル・ジャクソンの役割を果たしてもらった」とコメントしていた。ナビールがマイケル...なぜか納得?

重くて乗れない [音楽]

ad842197.jpgRim Banna/THE MIRRORS OF MY SOUL。これも池袋HMVにて購入。

店頭ではノルウェーの棚に並んでいたのだけど、ポップの紹介文を読むと何やらパレスチナ出身のボーカリストが歌っているとのことなので、よく分からないながらも買ってみました。

いや、実はこのポップ広告では、「アラブの中でも癖のないパレスチナ音楽なので、ユーロジャズとの相性抜群」みたいな書かれ方をしていて、その辺が少しかちんと来たのでした。ああ、どうせこてこてアラブポップスは癖がきつくてどう料理しても食えんですよ。などと、多少ひねた気持ちになりながらも、そのユーロジャズとの融合とやらの具合を聞いてみたくて買ってしまったという次第です。

さて一聴して、確かにアラブポップス的な癖は無いことは分かった。それが「パレスチナ出身だから」という理由は別にして。むしろこれって、ただ歌詞がアラビア語(フスハー)なだけで、音楽はすっかり洋楽じゃん。

で、その後ライナーを読んでびっくり。アラ・英・仏の3カ国語ですべて書かれているのですが、まず最初のページの説明文を読んでびっくり。
هذا الألبوم مرفوع إلى كلّ الأسري والمعتقلين الفلسطينيّين والعرب في السجون الإسرائيليّة. إكراماً لنضالهم من أجل الحريّة والاستقلال.

This album is dedicated to all the Palistinian and Arab detainees in the Israeli prissons, to honour of their struggle for freedom and independence.

(仏語は略)


こんな調子で、各曲ごとに、イスラエルに捕まってる子供たちに捧げる歌、とか、ガザで殺された何とか少年に捧げる歌、とか、故アラファト議長に捧げる歌、とかいった説明が付いています。「サラ」って言う歌に至っては、2000年にわずか16ヶ月でイスラエル兵に撃ち殺された少女のことを歌った歌だそうです。

これはちっともお洒落系ユーロジャズなんかじゃないっすよ。少なくともこんな重いメッセージを聞かされて酒飲んだり踊ったりはできないです僕は。HMVでポップ文を書いている人は、中身をちゃんと読んでるんだろうか。いや、まあ「お洒落系」っていうのは僕が勝手にそう思いこんでいただけなんですが。

ちなみに歌手リーム・バンナーのホームページはこれ。

Rim Banna Website

フランス語ってやつは! [音楽]

4df1f431.jpg先日池袋のHMVで購入。Souad MassiのサードアルバムMesk Elil。

今まで彼女のことはずっと、アルジェリア系フランス人なのかと思っていたのだけど、実はアルジェリア生まれのアルジェリア人だとのこと。親切な日本語の解説を読んで初めて知りました。だから彼女がアラビア語の歌詞を歌い、フォーデルがもっぱらフランス語の歌詞を歌うって言うのは、「奇妙なすれ違い」でも何でもなくて、多分それぞれ一番得意な言語を使っているだけなんだろうなあ、と認識を改めました。以上、反省を含めて訂正。

いやー、それにしても気持ちの良いアルバムです。前作のDebも気に入りましたが、しかし何となく「癒し系」的にも聞こえてきて最近ではあまり聞いていませんでした。今作も基本的には同じ路線っぽいですが、何となく前作よりイイ。

なんで今作の方が良いと思うのかとちょっと考えてみたんですが、フランスで生まれ育った歌手がこういうアルバムを作る、っていうのと、アルジェリア生まれの歌手がこういうのを作るっていうのでは、やっぱり意味合いがガラリと違ってくると思います。って結局先入観から抜けきれてないことになるのかなあ。

それにしても歌詞がさっぱり聞き取れません!アルジェリア方言って言うのは厄介ですな。多少なりともアラビア語の知識のあるリスナーなら、彼女がアラビア語(方言ではありますが)で何を語っているのか気になるところだと思いますが、あいにく付録の冊子には英訳歌詞しか載ってません。フランス語さえもない。アルバム名のMesk Elilさえ元の綴りが分かりません(辞書引けません(泣))。我ながら情けない話です。フランス行った時にアルジェリア方言の小辞典を買ってきたんですけどねえ。

ちなみに彼女の名前の日本語表記ですが、販売元のライスレコードは「スアド・マシ」としてますが、日本語解説書の執筆者は「スーアド・マッシ」と書いてます。表記が揃ってないことについては一応弁明が書いてあるので、それはいいのですが、じゃあどちらが適切かというと、意外にも、ライスレコードの方に部がありそうです
。以下その解説。

"Souad"を「スーアド」としたい気持ちも分からなくはないですが、フランス語の"ou"は「ウ」音を現すに過ぎないもので、長母音の「ウー」と言うわけではありません。ていうかフランス語に長母音ないですし。アラビア語の元表記を見るとسعادなので、長母音にするにはむしろ後ろを伸ばして「スアード」とするのが適切でしょう。あと"Massi"もついつい「マッシ」あるいは「マッスィ」とちっちゃい「ツ」を入れて読みたくなりますが、これもフランス語の正書法に騙されがちなところで、アラビア語ではماسيなワケですから「マーシー」あるいは「マースィー」が良いのです。と言うわけで、いっそどちらも短く「スアド・マシ」とした方が「マシ」だと思います。いずれにせよ、変な誤解を生まないためにも頼むからアラビア語表記を入れてくれ!

あ、曲の感想を全然書いてないですね。またそれはいずれ。下記は彼女のオフィシャルサイト。

Souad Massi
www.souadmassi.com.fr

今期は弱そう? [音楽]

ラマダーンも終わり、イードまっただ中。しかし、今年のイードは思ったほど収穫はなさそうです。

Elaphニュースサイトより

この記事によると、このイードに出た新譜はカーゼム・アッサーヒル、ワーイル・クフーリー、マジド・アルカーセム、ホサーム・ホスニー(誰?)の4人だけ。以前から注目されていたアムル・ディヤーブ、ナンシー・アジュラム、エリッサなどの大物スターは、どうやら制作が遅れているみたいです。がっかりですね。

あ、以前他所でカーゼムはロターナから離脱したと書きましたが、今回のアルバムはまだロターナから出ていますね。謹んで訂正します。ってここに書いても仕方ないですが。

ラマダーンにふさわしくない人 [音楽]

06b9643d.jpgalbawaba.comの記事によると、ルビーのプロデューサー、シェリーフ・サブリーは、ルビーがこのラマダーン月の間、いかなる営業活動も行う予定のないことを明らかにした。この一ヶ月間、ルビーはコーランを読み、断食をし、礼拝をし、慈善行為に専念するのだそうな。

ってことは、自分たちのパフォーマンスがラマダーンにふさわしくないってことを自覚してるんだな。

天然素材 [音楽]

6265de9f.jpg下のエントリでmajnoonaさんがふって下さったので、ちょっとだけ書きます。

今アラブでもっとも激しくバッシングを受けてるとおぼしき新人歌手、ダーナ。通販サイトOghnia.comの掲示板では"Shame on you!"とまでののしられていて、ブッシュ大統領並みの嫌われようだ。

Oghnia.com
Dana - Oghnia.com

上記2番目のリンク先でビデオクリップが視聴できるので、まずはどうぞ。

ビデオの冒頭前奏前部分に、

أول فنانة استعراضية من دون
  plastic surgery

つまり、「整形手術を受けてない最初のアーティスト」というテロップが出てくる。(استعراضيةの意味がよく分かりません実は。「バラエティータレント」ってこと?)

それはホントか?と信憑性を云々するのもバカバカしくて、これは「とばし」というヤツだ。「整形無し、天然のカワイコちゃん(死語)だよ、お兄さん」という類のあおり文句という訳だ。こんな文句からも、何だか胡散臭さがプンプン漂ってくる。

歌唱力や楽曲の出来不出来も、とやかく言う必要はない。彼女が歌っているのは、僕が「エジプトの河内音頭」と呼んでいるメロディー、つまりシャアバーン・アブドッラヒームの旋律である。誰が歌っても歌唱力が問われる心配のないそんなメロに載せて、歌う歌詞が「私を見て、私はダーナ」。

あとはビデオをじっくり見て頂ければお分かりと思うが、ピンクの下着で踊ったり、びしょぬれになってボートを洗ったりとまあ、きわめて分かりやすく扇情的だ。

9月のカイロ滞在中、このビデオがやたらとMelody Hitsでかかっていたので、「あちゃーまた変なのが出てきたなあ」と思っていたのだが、案の定、ものすごい叩かれぶりで、ルビーもナグラも真っ青と言ったところだ。しかしまあ、正直なところルックス的には前2者よりもずいぶんと洗練されている。などと書くとまた品性を落としかねないのでこれまで。興味のある方はリンク先のビデオを見て下さい。多分Melodyのサイトからもストリーミングが見れると思います。

アラビア語口語詩の現在 [音楽]

b6221414.JPG知人のエジプト研究者A氏から、MTMの去年のアルバムを譲ってもらった。実際もらったのは先月なのだが、時間がなくてようやく今頃になって封を開けている。前作は通販を利用してCDを買って聴いていたのだが、今作はCD化されてないとのことで、カセットを現地で購入する以外入手するすべがなかったのである。(とは言えMazikaty.comなどでは不正コピーを配布していたが)

まずは封を開けてライナーを読んで分かったのだが、彼らには「公式サイト」があった!

Official Website of MTM

で今じっくりとこの2作目、"Telefony biren"を聴いているところだ。前にネットで聴いた時には、前作Ommy Mesafraに比べるとパワーダウンかな、などと思ったのだが、いやいやなかなかどうして、ラップの歌詞の詰め込み具合などは前作以上、完成度はかなり高い。

幸いライナーには、アラビア文字でぎっしりと歌詞が書き込まれている。エジPOPで歌詞カード付き、というのは滅多とお目にかかれないのだが、やはりMTMは歌詞が命なのだろう。あるいはこれだけ早口だと、エジプト人にも歌詞カード無しには分からないところもあるのかもしれない。ともあれこれからじっくりと歌詞カードを読みながら、彼らが何を言っているのか確認してみたい。

ところでカイロのアメ大生などが集まるハイソなカフェに行くと、書き込み自由の「思い出ノート」みたいな物が置いてあって、中には若者たちが思い思いのことを書き込んでいたりするのだが、その大半がエジプト方言による詩だったりする。アラビア語というと、イスラム誕生以前から続く豊かな文語詩の伝統があることが知られているが、こういう若者が何気なく書いている口語詩、方言詩の方は、あまり注目されていない様な気がする。誰か、方言研究の専門家が、若者たち(に限らないのかな、新聞なんかにも口語の詩を投稿してくる読者が多そうだし)の口語詩の世界を調査してくれればいいのに、と思う。まあ僕が考えるようなことはすでにやり尽くされているのかも知れないが。

不思議ちゃんの魅力 [音楽]

bb67408b.JPG2004年、エジプト人が選ぶ最優秀女性歌手に選ばれたというミリヤム・ファーリス。どの辺がその魅力の秘密なのかと一応前作はひととおり試聴したのだが、全編単調なディスコビートの繰り返しでどうにもあまり食指が動かない。去年のヒット「ラー・テスアルニー」のビデオクリップで、着ている服を自らはさみでじょきじょき切るというきわどいパフォーマンスを見せていたので、まあ所詮はそんなところがエジプト人の心をくすぐったに過ぎないのかな、などとも思った。

で、今年、カイロで見たメロディーヒッツでは、このミリヤムの新曲がかなりの頻度で流れていたので、ついつい新譜「ナーディーニー」を買ってしまったのだが、これが予想に反してイイ!

1曲目タイトル曲の「ナーディーニー」は、かなりビートのきいたダンスチューンだけど、これは無難にこなした、と言う感じ。むしろ本領は2曲目以降にありと見た。

2曲目、これもまた冒頭は打ち込みいっぱいのダンスチューンのようだが、しばらく聴いているとアラブ風オーケストラのフレーズが重なり、途端に伝統歌謡の雰囲気になる。なんとなくナターシャ・アトラスを思い起こさせる、テクノとアラブ伝統歌謡とのミクスチャーぶりだ。

4曲目はなぜかアルゼンチンタンゴで始まるが、これも途中から伝統的ちゃかぽこフレーズに取って代わられる。

6曲目はのっけからホンセク入りのファンクチューンだが、ファンキーなサックスのフレーズがいつの間にか伝統リード楽器ミズマールにシンクロするという、かなりトリッキーなアレンジ。

...とまあ、全曲かなりの割合で、伝統アラブ歌謡へのオマージュが見られ、音源もちゃかぽこ担当のタブラなど打楽器はもちろん、ウード、カーヌーン、ミズマールなどの管弦楽器が豊富に用いられている。要するに僕好みのアレンジばかりだったということ!

しかしこの人のボーカルと来たら、一体なんなんだろう。決して音痴、と言うわけではなくて、おそらく実力派の部類にはいるのだろうが、何となく人を落ち着かない気持ちにさせる、不思議なビブラートというか、独特な声の上ずらせ方をする。ビデオクリップでの彼女の踊りも、普通のベリーダンスの文法からは外れた、不思議な踊り方をしている。なんと説明していいのか分からないが、完全に行っちゃってる人の踊りのようだ。ああいかん、すでにこの不思議ちゃんの魅力に陥ってしまっているのかも知れない。

ものすごく不器用な人 [音楽]

99bd8d19.JPGで、ベタ褒めのシリーンとは対照的に、ものすごく不器用なのがこのハマダ・ヒラール。下で書いたとおり、これは彼の主演映画「アイヤール・ハビーバ」のサントラだ。

映画の劇中歌がすべて収められており、アップテンポからスローバラードまで揃ってる。で、もともとシャアビーが持ち味のハマダらしく、どれを聴いてもエジポップ、というラインナップになっている。

ただし、問題は5曲目の"One Two Three"だ。なぜか英語のタイトルになっているが(と言っても数詞だけだが)、この曲、ジェームス・ブラウンの"I Feel Good (I Got You)"のアラビア語バージョンなのだ。コミカルなシーンのBGMとして用いられていたので、映画を見ている時にはあまり気にならなかったが、改めて聞き直してみると、ハマダ、この曲に関してはものすごく下手くそ!!節はもげるしビブラートは決まらないし、はっきり言って音程が取れてない。あまりの音程の悪さに思わず笑ってしまった。これはどういうことなんだろうか?

エジポップ、とりわけシャアビーなのを歌う時のハマダは、安定した歌唱力で知られる若手実力派である。しかしその彼も、西洋音階には全くなじみがなく、歌いこなせない、ということなのだろうか。グローバル化の進んだ今の世の中、日本じゃ氷川きよしだってもうちっとまともに洋楽を歌えそうなものだが、エジプトではこんなタイプの歌手がいるのだ。ある意味、あっぱれなことだと言えまいか。

しかし、そう考えると、JBと曲がりなりにもコラボ出来たハキームは、実はこれまた器用な歌手だったのではないだろうか。

意外と器用な人 [音楽]

781e8e3a.JPGあいしゃさんのブログでは今のアラブを代表する二大歌手の一人と格付けされた、エジプトの若き歌姫シリーン。かねてから注目の今年の新譜も当然カイロで買ってきた。

まずジャケットに注目。ずいぶん今までとは雰囲気が違う。従来の「元気なねーちゃん」というイメージを一新、R&Bの新人歌手かと見まごうほどの洗練されたルックスである。相当のダイエットをして撮影に臨んでいると見た。

一体、シリーンはどこへ行ってしまったのか?という不安を抱いたが、1曲目「マフィーシュ・マッラ」を聴いていきなり安心。これぞエジポップという感じの「ちゃかぽこ」打ち込み全開だ。水前寺風ハスキーボイスも健在。ダイエットもなんのその、声量は全く衰えていない。

2曲目「ラーゼム・アーイシュ」はこのアルバムのタイトルチューンだが、今度は一点スローバラード。前奏を聴いて「やはりR&B路線なのか?」と再び不安を感じたが、そんな不安、シリーンの声を聞いてまたもや吹っ飛んでしまった。確かにメロディーラインは洋楽風だが、この人のボーカルはアラブ風のメリスマ効かせまくりで、何を歌わせてもエジポップになってしまうのだ。

ちなみに僕がカイロで確認できた限りでは、この2曲目がビデオクリップ放映されていたが、ジャケット写真と同じ服装で椅子に座るシリーンを、カメラがいろんなアングルからひたすら撮りまくるという内容。ルックス面に相当の自信がないと、こんなビデオ作れないよなあ。

あとは3,4曲目がアップテンポのちゃかぽこ、その他はしっとり系の取り合わせになっている。どの曲調でもしっかりと聴かせてくれるという点で、この人意外と器用なんじゃないかと思う。

それからシリーンのルックス面での変化については、僕としてはこれは素直に歓迎したい。女性歌手と言えばレバノン人のナワールやディアナ、最近ではナンシーやエリッサばかりが持てはやされ、エジプト人歌手でそれに対抗しようにもルビーみたいな過剰お色気歌手しかいないというエジプト歌謡界において、歌唱力は申し分なくさらにルックス面でも引けを取らないような「美人」歌手がいつかは現れて欲しい、というのは僕のようなエジポップファンの長年の願いだったからだ。まあ、シリーンを「美人」歌手と銘打つのには抵抗のある向きもあるかも知れないが。

Yaraって何者? [音楽]

e1f27ab5.JPG9月のカイロ滞在で、もっとも目にしたビデオクリップが、YaraのTwassa feyaだった。この歌手、一応3Arabiaのサイトにページがあるが、全くプロフィールがわからない。報道なんかをみると「レバノン人歌手」と書いてあるのでレバノン人なのだろうが。とりあえず、滞在中に彼女のファーストアルバムとやらが売り出されたので買っておいた。

で、くだんのビデオクリップ、かなり凝った作りだった。

...冒頭、ステージ上で3人組の女のアイドルグループが歌っている。ルックスだけで売っていこうという魂胆の若手のようで、恐ろしく音痴だ。舞台袖で番号札を持ったほかの歌手たちや審査員が苦い顔をしている。どうやらここは新人歌手のオーディション会場らしい。たまりかねたシルクハットの司会者が、歌の途中で割ってはいる。

「59番の皆さん、ありがとうございました。次は60番行ってみましょう!」

次に登場するのが、薄紫色のナイトドレスを着た美人歌手。不幸な女のオーラを全身から発しており、なにやら訳あり女の雰囲気を漂わせている。これがYaraその人。順番待ちの歌手たち、うるさ型の審査員らが見守る中、オケの前奏が流れ、いよいよYaraが歌い始める...

とまあ、歌の本編に入る前の前振りが長く、思わず画面に見入ってしまう。この続きはMelodyのサイトのストリーミングをみてほしいが、あの短い時間でよくぞというほど、細かい人物描写をしていて、気の利いたショートフィルムを見せられているようである。しかも、出てくる人物すべて、どこかそこはかとなく可笑しい。

調べてみたら、このビデオの監督は実は若手の映画監督でもあり、去年パリで開かれたアラブ映画祭にショートフィルムを出品している。これだから最近のアラブポップスはあなどれない!

もちろん、映像ばかりでなく、肝心のYaraその人の方もとても印象的だ。歌唱力は、やや声量が足りない感じもするが、アラブっぽい歌唱法をばっちり身につけており、これから人気が出るんじゃないだろうかと思わせる。ルックス的にもなかなかだ。ってこれはやはりビデオ監督の力量が大きくものを言っているのかもしれないが。上のジャケット写真はちょっと恐ろしげだが、CDの中の写真(下図参照)はもうちょっとかわいらしい。

で、CDを通して聞いて気づいたのだが、上記のビデオクリップ冒頭で、アイドルグループが歌っていた変な歌があるのだが、その曲も実はこのCDの中に納められている。Alf Zayyakという曲で、もちろんCDではYaraが歌っているのだが。
yara

無常観のエジポッパー [音楽]

c2cdad52.jpg仕事場への行き帰りにずっと聴いてましたが、いいですねえ、今回のムニール様。心が洗われるようです。

Roman Bonkaアレンジというクレジットの入った3,6,7曲目が特に気に入りました。ライナーを見ると、この人ウードも弾いてますが、エジプト人の名前ではなさそう。外国人であるにも拘わらず、いや、だからこそ、カーヌーンなどの伝統發弦楽器を効果的に用いたフレーズがいかしてます。アフリカ大陸の土のにおいが漂ってきそうです。なんともアーシーでかっこいいです。

ムニールが、シャアビーなのか、若者向けなのか、ポップなのかロックなのか、伝統回帰なのか、いつも悩むところなのですが、「ワールドミュージック」としか呼びようがないですね。少なくともエジプトでは、彼と比較対象になりうる歌手はいません。

それから歌詞を一生懸命読んでみたのですが、英語とアラビア語ではかなり違ってる模様。英語の歌詞は一種の「超訳」ですな。とは言えアラビア語だけでは僕にも完全には意味がとれません。完全には意味とれてないのにこういうのも変ですが、ムニールの歌詞ってなんだか「諸行無常」な感じを漂わせています。

やはりこの人、カテゴリー分けするのは難しい。

昨日私は20歳だった [音楽]

c2cdad52.jpg実はパソコンメンテ中のため、blogも滞りがちになってますが、カイロで買ってきたいろいろを少しずつ紹介していきます。

「王様」ムニールの新譜。前2作あたりで見られたシャアビー路線はやや陰を薄め、いつもながらのムニールワールドを展開してくれてます。この人は「長調」で歌ってくれた方がしっくり来ますね、個人的な意見ですが。

珍しくCDに歌詞カードがついているのですが、まだちゃんと読んでません。タイトル曲なんか意味深な感じですね。またいずれコメントします。

ヘンナーヘンナーヘイ! [音楽]

132edb27.jpgカイロで泊まってた宿がMelody Hitsの見れる宿だったので、ほぼ毎日そればっかり見ていたのだが、目にとまったアーティストがちらほら。

ハーレドおじさんと共演するCameron Cartioという若者。名前からは何人だかさっぱりわからず、洗練された雰囲気から勝手にイタリア人かスペイン人だと思っていたのだが、なんと、「イラン人」だった!公式サイトはこれ↓。

Cameron Cartio

スウェーデンで育ったイラン人らしいが、歌詞はどうやらペルシア語だ。何度も聞いたのにちっとも気づかず、恥ずかしい限りだ。

で、Melodyでヘビーローテーションだった"Henna"と言う曲、こんなエピソードが書いてあった。まあどうでもよいが。

The story of their collaboration is somewhat of a saga. Cameron was in love with a beautiful girl who he learned to be a great fan of Khaled and to give her a gift and proof his love to her; he set out to collaborate with Khaled and wrote a song with the same name as the girl herself, Henna.


公式サイトからビデオクリップが見れるみたいです。もちろん、MelodyHitsのサイトからでもOK。かっけーなー、ハーレドも。

タハボックス3枚組 [音楽]

Made in Medina
Diwan
Ole Ole

ラシード・ターハーについてはいつかちゃんと押さえておかないとと思ってはいた。しかし彼くらいのビッグネームなら、池袋のHMVに行けばいつでも手にはいるし、アマゾンでも買えるし、でもいざ買うとなったら高いし、となかなか本気で買いそろえる気にもならず、ずるずると来てしまった。とりあえず去年は『テキトワ』を買ったが、だからといって旧作にまで手を伸ばすことはしなかったのだ。

そこに来て、今回のフランス調査旅行である。レ・アールのfnacを覗いたところ、ターハーの3枚組ボックスが30ユーロで売られていた!1ユーロだいたい136円くらいのご時世だが、この値段は破格である。迷わず購入!収録作品は上記3アルバム。

で、今i-podへの保存のためにパソコンで聴いているところ。彼の音楽を「アラブポップス」と呼ぶのにはやはり抵抗があるが(だって、かっこよすぎる!)、それでもこれらの古いアルバムにはアラブ臭もけっこう漂っており(あざとい漂わせ方でもあるが)、なかなか好感が持てる。

それからライナーノーツには、すべての曲の歌詞が掲載されており、ターハー自身のコメントが付されていることもある。ってそれは普通の洋楽なら当たり前か。ともかくこれからじっくり聴き込み読み込みたいところ。

ナンシー、テロに挑む [音楽]

204277ee.jpegシャルム・エル・シェイク(シャルムッシェーフ)で先日凄惨な事件が起こりましたが、我らがナンシー・アジュラムはそんなことでシャルムを見捨てたりはしないようです。

نانسي عجرم تتحدى الإرهاب(elaphより)
أعلنت المطربة اللبنانية نانسي عجرم أنها ستذهب إلى مدينة شرم الشيخ يومي 30 و31 تموز (يوليو) الجاري


今月末に予定されているシャルムでのコンサートを、予定通り行うと宣言したそうな。えらいぞナンシー!同記事の記者も感動したのか、ナンシーに付けられた肩書きが「مطلبة(歌手)」となっています。

同記事にあるとおり、シャルムでは映画監督ユースフ・シャーヒーンや、女優のユスラー、映画俳優ヌール・シェリーフ、歌手のイハーブ・タウフィークなどが動員されたパレードも行われたみたいで、「元気だそう、シャルム」みたいな動きが盛り上がっているようですね。

さてナンシーの肩書きについては過去エントリで何度か触れていますが、こっちの記事(albawaba.com)なんかを見ると「نجمة(スター)」と書いてありますね。婉曲表現でしょうか。

シリーン新ビデオ [音楽]

eb75d4d8.jpegElaph芸能面より

ベイルートで2本のビデオクリップ撮影を終えたシリーン・アブドルワッハーブ。この人昔は「シリーン・アハマド」と呼ばれていたけど、名字(父称)を変えたんだろうか。まあエジプト人歌手なら「アブドルワッハーブ」の方が通りがいいし。

で、撮影したのは「マー・フィーシュ・マッラ(一度もない)」と「ラーゼム・アイーシュ(生きねば)」の二曲。撮影は都合48時間で終わらせたと言うからかなりの早業!というかやっつけ仕事?

写真を見ると、ずいぶんとあか抜けたイメージになっていて、別人かと思いました。髪が伸びただけだが。

なぜモフセン・ガーベルは嫌われるか [音楽]

70d1bf7d.jpg汎アラブ紙「ハヤート」の芸能面より。

لماذا ينسحب نجوم الغناء من «عالم الفن»؟(歌手たちはなぜ「アーラム・ル・ファン」を去るのか?)

「アーラム・ル・ファン」とは敏腕プロデューサ、モフセン・ガーベルが所有するエジプトのレコード会社で、かつてはアムル・ディヤーブやラーゲブ・アラーマを始めそうそうたる人気歌手を揃えてたいそう勢いのある会社だった。しかし、一昨年にアムルがロターナに引き抜かれて以来、他の歌手も次々に引き抜かれて、今や残っている歌手はラティーファ、ヒシャーム・アッバース、サミーラ・サイードくらいとのこと。

この没落の原因はなんなのか?金の問題か?近年のテクノロジーの変化において行かれたせいか?それとも単にガーベルが嫌なヤツだからか?残念ながら、この記事もその真相をずばりと書いてはくれていない。

しかし「アーラム・ル・ファン」没落、そして「ロターナ」隆盛の背景には、アラブ芸能界におけるエジプトの相対的地盤低下と、一方の湾岸の地位向上という、大きな流れがあることは指摘できると思う。

写真はエジプトの歌姫、アンガーム。彼女も今やロターナ組である。

神楽坂 [音楽]

fb9089dd.gifギンレイ帰りに久々神楽坂散策して(いつもは黒兵衛でラーメン食べたら帰ってしまう)、発見した店がこれ。

大洋レコード

MPB(ブラジルのポピュラー音楽)と能面の店、という奇妙な組み合わせ。しかも、店名と看板の鯨の絵から想像がつくとおり、店長はどうやら筋金入りの大洋ホエールズ・ファンのようである。

横浜ベイスターズが試合に勝った翌日、店内全商品10%OFF


だそうな。そう言えば今期はもう何度も「横浜5割復帰!」のニュースを聞いているが、強気なのか弱気なのかわからないセール日の設定で、微妙だ。今度タイミングを見計らって買い物しに行くか。

アムル新譜そろそろ [音楽]

7abca5ea.jpgalbawaba.com middle east news information::Get ready for Amr Diab窶冱 latest

というわけで、2005年の新譜は7月22日発売予定だそうな。収録曲数が11曲であるという以外、曲目もアルバムタイトルも未発表、てこれ、Alam al-fan所属時代に新曲の未発表テイクがどんどん流出して、それが移籍の大きな理由の1つになった、っていう事件を怖れて、Rotana側が箝口令を敷いているんでしょう。

まあ、ファンはおとなしく待つことにしましょう。

Ila Talaamiidh 2 [音楽]

で、授業で聴かせてきたアラブ・ポップスのリストがこれ。とりあえず11曲分。ただし表記はフスハー、NHKラジオのテキストにある程度準拠。

1. muHammad muniir, suu yaa suu(綴りの練習用)
2. Hakiim, al-salaam 3alay-kum(挨拶文を教えたので)
3. yuurii muraqqadii, 3arabiy(yun) anaa(名詞・形容詞)
4. kaaDHim al-saahir, ilaa tilmiidha(tin)(名詞の格変化)
5. nawaal al-zughbii, 3aynay-ka kadhdhaabiin(双数形)
6. naansii 3ajram, lawn 3uyuun-ka(不規則複数)
7. muSTafaa qamar, munaa-ya(人称代名詞)
8. 3amr diyaab, akthar waaHid(形容詞比較級)
9. khaalid, Taahaa & faaDil, 3abd al-qaadir(例文に「黒い奴隷」というのがあった)
10. ruubii, anta 3aarif liih(疑問詞)
11. sha3baan 3abd al-raHiim, akrah israa'iil(動詞未完了形)

括弧内に、どうやってその日習った文法事項と曲のタイトルを結びつけたか、という言い訳のようなモノも付記。こう並べてみると、我ながら、かなりの力業だったと実感する。

例えば5の曲、口語では「アイネーク・カッダービーン(あなたの両目が嘘をつく)」というタイトルだが、それが上記のようなフスハーになるとは、自分でもなかなか気が付かなかったし、今でも正しいのか自信がない。

10は「疑問詞」と言いながら思いっきり口語表現(つまり、教科書には載ってない形)で「レー」と言っているし、11では曲中「アクラフ」ではなく「バクラフ」と連呼している。

こうして文法重視のラインナップを作ったわけだが、アーティスト名を眺めてみると、意外とバランスがいい。エジプト人6人、レバノン人3人、イラク人1人、アルジェリア人1組。や、ちょっとエジプト偏重気味かも知れない。しかし、この11曲を通して聴いてみると、選曲のバランス良さがより実感できるというもの。このまま「イラー・タラーミーズ(学生たちへ)」とでも題してコンピレーションCDとして売り出せそうな勢いだ。(もちろんこのタイトルはカーゼムの新譜のパクリ)

しかし、いくつか反省点も無いわけではない。例えば形容詞比較級のところでは、アムルの曲ではなく、エリッサ姐さんのajmal iHsaasを紹介すれば、レバノン人歌手の数も増えて良かったかも知れない。で、アムルは今学期の最後、「動名詞」の授業でanaa 3aa'ishを流すとすれば、完璧だ。

それからやはり、9番目の選曲は無理があることは認めねばならない。この日教えたのは動詞完了形だったのだが、完了形のシンプルなフレーズが曲名に使われている曲って意外と少ないことに気づいた。誰かいいの知りませんか?

とまあこんな調子でもうすぐ1学期も終わる。2学期最初の授業では、いよいよ「命令形」を教える予定。とすると、紹介する曲はあれしかない!もちろんビデオクリップも付けて聴かせたいと思う。

Ila Talamidh(学生たちへ) [音楽]

都内某大学で、えらそうなことに、アラビア語初級の授業などを担当させてもらっている。ホント、畏れ多い話である。

あまりの怖れ多さに、毎時間終了5分前は「アラブ・ポップスの時間」として、1曲ずつ曲を聴いてもらうようにしている。もっぱら口語アラビア語で歌われるポップスを、文語アラビア語の教材として使うのは、やや無理がある。例えて言えば、中国語の授業で広東語ポップスを聴かせるくらいの無理加減だ。

しかし、無理を承知でポップスを聴かせ続けるのには、理由がある。すなわち、

「(自分が)アラブ・ポップスが好きだから」

...どうだ、二の句もつげまい。

確かに、授業最後の5分間で曲を聴かせる代わりに文法説明をすれば、学生たちの文法理解はより深まるだろう。しかし、そもそもこの大学では、アラビア語のエキスパートを育てるためにアラビア語の授業を設けているわけではない。めいっぱい詰め込み授業をしたところで、その後もアラビア語学習を続けていく学生は、一学年に1人か2人いるかいないか、であろう。

ならば、こうやって毎週アラブ・ポップスを聴かせ続けることで、アラブ・ポップス好きの学生を育てることの方が大事なのではないか、そして、ひいてはアラブ世界に関心を持つ学生が1人でも多く育ってくれれば、なんてことを考えているわけである。まあアラブ・ポップスを好きになる生徒も1人か2人かもしれないが。

次回は、具体的にどんな曲を聴かせたのか、選曲リストを公開したい。

アラブのマリリン [音楽]

664f500e.jpg「自称」アラブのマリリン・モンローことマルワ嬢の記事。和製マリリン・モンローと言えば井上和香ですが(爆)、マルワの場合は自称しているところがすごい!下のリンク先参照。

albawaba.com middle east news information::Marwa, the Monroe of the Arab World

まずこの記事では、"Lebanese singer Marwa"とされているので、彼女の出身はどうやらエジプトではなくレバノンのようです。サイトによっては彼女を「エジプト」のコーナーに分類しているのもあるので混乱しますが、レバノン出身、エジプトで人気、というかんじでしょうか。ということで、このエントリも分類は「レバシリ」としておきます。

それからマルワ、最新のビデオクリップ「シール・エーダク」がハイファ・ワハビーの「ハヤート・アルビー」からのパクリだという噂を否定してます。そんなもん、どうでもええがなという気分です。どっちも似た路線であることは変わりありません。もっとも、そもそも具体的にどこがどうパクリだという疑惑があったのかはわかりませんが。

それから、最近彼女はロターナから「マシュラブシュ・シャーイ(お茶は飲まないわ)」という曲のビデオを出したそうで、それが元々の彼女のプロデューサーとの契約違反だと言うことで、訴えられているそうな。あらまあ。

あんた何様? [音楽]

f10e1dc9.jpgいつもながら仕事の速い7oob.netのサイトに、ナンシーの(おそらく)最新ビデオクリップ「エンタ・エー?(あんた何もの?)」がアップされていた。

アルバム「アー・ウィ・ノス」から実に4曲目のビデオリリースだが、この曲はしっとり(ねっとり?)したバラード。ビデオでは、恋人の浮気に気づいてしまった女をナンシーが熱演しています。

ビデオ監督はいつも通り、ナーディーン・ルブキー。この監督、ナンシーよりも美人なんではないかというくらいの美人なんですが、まあそれはさておき、女性監督がナンシーのビデオを作っていると言うところに、ナンシーが「同性にも受けるアイドル」という路線を狙っているところがうかがえると思うのですが。

ミュージカル・バトン [音楽]

たけさん、キサラさんRaidaisukiさんからほぼ同時に「ミュージカル・バトン」なるものを受け取ってしまいました。3人から受け取ったら3倍にして答えないといけない、っていうものでもないでしょうから、このエントリで一度に片づけてしまいます。また、決まりでは5人にバトンタッチしないといけないので、これも3倍の15人にバトンタッチ?と考えると大変に気が重いので、敢えて後継指名はしないでおきます。

正直、自分の音楽の趣味は胸を張って披露できるものとも思ってないし、かといって受けねらいの面白いことも書けそうにありません。ですから以下の部分には何も期待しないで下さい。なんだかテンション低いです。☆Total volume of music files on my computer: (今コンピュータに入ってる音楽ファイルの容量) 9.37GB ...3月のトルコ旅行の前に慌てて買ったi-podだが、ようやくメモリの半分を使ったくらいなのか ☆Song playing right now: (今聞いている曲) Cambaz / mor ve otesi ...「今聴いている」というわけでもないんですが、上述i-podで、3月以来もっともたくさん聴いているのがこの曲 ☆The last CD I bought: (最後に買ったCD) Cheil idak / Marwa ...買ったはいいが、まだ通してちゃんと聴いたことがない。それほどまでに人を寄せ付けない強烈なパワーがある ☆Five songs(tunes) I listen to a lot, or that mean a lot to me: (よく聞く、または特別な思い入れのある5曲) 1.Oul Tani Keda / Nancy Ajram ...最近娘(もうすぐ2歳)がこの曲を覚えて、毎日歌っている。保育園で歌って先生に変な顔されなければよいが 2.鄢色柳丁/陶竽 ...やっぱこれからは台湾でしょう 3.Your Song / Elton John ...僕にとっては数少ないカラオケで歌える洋楽レパートリー 4.借金大王/ウルフルズ ...どの曲でもいいんですが、邦楽代表として彼らのも1曲入れておきたかったので 5.Confirmation / Charlie Parker ...と書いたものの、最近ジャズは全然聴かないですね。1曲聴くと、しばらくアラブポップスとか聴けなくなっちゃいそうで 以上、いつもアラブポップスの話ばかりしているので、今回はアラブ色薄目で選びました。

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