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江湖の笑い者よ [読書]



漂泊のヒーロー―中国武侠小説への道


『大長今』を見終わり、我が家の韓流ブームも一段落、と思ったら、今度は夫婦で中国武侠ドラマに凝ってしまい、妻が図書館で借りてきたこの本をむさぼるように読んでしまいました。

三国志、水滸伝なら日本男子たるもの小中生の頃に読んでしまいますが(漫画で)、そんなメジャーどころの向こう岸には、豊穣な武侠モノの天地が広がっていたんですなあ。それを「江湖」と言い換えても良いでしょう。

ワイヤーアクションばりばりの香港SFX映画は、実は昔からある武侠文学を忠実に映像化したに過ぎなかった、というのには驚かされました。四方田犬彦の「国民的大衆映画」の話なんて、武侠の世界のほんのひとかけらに過ぎなかったんですねえ。『東邪西毒』も『カンフー・ハッスル』ももう一回見直さないと。いやあ、実に楽しそう。中国語ができなくて残念です。

さて、こういう面白い話を聞かされると、アラブ圏ではこれに対応する現象はないのかと、ついつい考えてしまうのがアラビストのサガです。さしあたり、アンタル伝、バイバルス伝などのヒーロー説話が挙げられるでしょう。主人公の周りに任侠無頼の徒が集まるあたり、なんだか「江湖」の香りがします。「崋山派」「崑崙派」と言った武芸の流派は、アラブでは「イスマーイール派」とかになるんでしょうか。
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