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ムアッリム(先生) [音楽]

321ac12c.jpg世界中のイスラム教徒がちょとずつだけ信心深くなるラマダーン月、いまカイロではこんな曲が流行っているらしい。

Sami Yusuf, "al-Mu`allim"(Melody Entertainmentより)

歌詞は基本的に英語。内容は神と預言者を讃える「ナシード」と呼ばれる宗教歌だ。この歌と、歌手サーミー・ユースフに関するレビューはこれ。

Al-Ahram Weekly | Features | For the love of God

このレビューによると、この人生まれはアゼルバイジャン、育ちはロンドンという人らしい。歌詞は英語だが、ビデオクリップはエジプトでの撮影。クリップの中ではカイロの「平均的な」中上流階級の若者という役どころのサーミー。母を敬い、弱者をいたわり、子供たちの模範となり、神の被造物たる自然を愛する、そんな、現代のムスリムにいかにも好まれそうな若者像を体現している。やたらと広くてきれいな邸宅に住んでいるのはご愛敬。 「ナシード」自体は別に新しくない音楽ジャンル。しかし、それをこういう風におしゃれな装いで提示するのは、この曲まで存在しなかったと言うから、意外な盲点だったのだろう。しかし、アゼリー系イギリス人である彼もムスリムであるには違いないが、どうしてその彼がエジプト固有の「ナシード」と呼ばれる表現形式を選び、それをエジプトで売ることを選んだのかが今ひとつ分からない。 レビューにも書いてあるのだが、この曲を支持する層は、話題の「ネクタイをした説教師」アムル・ハーリドの追随者とかなりだぶるそうである。なるほど、このビデオクリップを見る限り、カイロのハイソな若者たち(おしゃれにもイスラームにも同じくらい興味がある)をあからさまにターゲットにしていると言っていいだろう。 ナンシーやルビーなどの登場でセクシー路線まっしぐらかと思われたエジPOP界も、突如としてこういう伏兵が現れるから、油断がならない。
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