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ポルトカーラその後 [音楽]

2e974757.jpg以前、話題のポルトカーラのビデオクリップを見つけた7oob.netのサイトを再びチェックしたら、なんかやたらと果物の名前の付いた曲が増えていた。本家アラー・サアドの「ポルトカーラ(オレンジ)」の他、他の人が「ポルトカーラ2」を歌っているし、また別の人は「トゥッファーハ(リンゴ)」を歌っている。よく見ると、「ミシュミシャ(あんず)」「ルンマーナ(ざくろ)」(写真)まである。

ダウンロードしてクリップを視聴してみると、どれもこれも、ちょっとたっぷりめの湾岸美人ダンサーが、それぞれの果物の色をしたドレスをまとい(リンゴや柘榴なら赤、杏ならオレンジ)、髪の毛を歌舞伎の連獅子のようにぐるぐると振り回して踊っている。これは本家の「ポルトカーラ」とよく似ている。曲調もそっくり。ででででんというでんでん太鼓のようなリズムも健在だ。 お察しの通り、これらは皆、2匹目のドジョウをねらって現れたものらしい。 Al-Hayat、Asharq Al-Awsatなど有名紙を見ると、このほかにも「ユースフ・エフェンディー(みかん?)」というのもあるらしく、さらにバナナ、スイカ、メロンなんて言うのも出てくるらしい(これはジョークか)。各紙の芸能批評は、戦後のイラクから現れたこれらの「果物ソング」に対し、どれも手厳しい。格調高いアラブ詩を歌うカーゼム・サーヒルはもちろんのこと、イラクには豊かな歌謡曲の伝統があったはずなのに、それは今やどこに行ってしまったのかと嘆く向きもある。(Dar al-hayat) 「アメリカ占領後のイラクの大地は、(すでに有名な)ナツメヤシや石油のみならず、様々な種類の果物の特産地となった。これは疑いなく、アメリカによる支配の産物である」 などと皮肉る批評家もいる。(al-sharq al-awsat) そもそもアラー・サアドの大ヒットは、湾岸資本の衛星放送が仕掛けたもののようで、下のal-Jubaylさんの書き込みにあるとおり、ディアナ・ハッダードの夫アブドゥール氏が所有する「ヌジューム」なるテレビ局が一時間に一回というヘビーローテでオンエアしていたらしい。ものすごいパワープッシュですな。で、大ヒットしたものだから他の曲もそれに追随し、他の歌手も追随、という形のようだ。 曲はイラク民謡から採られたものだというし、歌っている歌手は皆イラク人のようだが、撮影地とか、踊っているダンサーとかは湾岸の人なんじゃないかと思う。もちろん資本は湾岸から来てるし、規制のなくなったイラクで派手な曲を作ろうとする思惑が見事花開いてこうなったんだろう。まあちょっと咲き乱れすぎという感じもするが。 しかしやはりどうしても腑に落ちないのは、こんなののどこがいいんだ?ということに尽きる。だって湾岸の視聴者だって、ナンシーやエリッサを知らないわけではないだろうに。やっぱりエジプト方言、レバノン方言で歌われては、今ひとつそそられないんだろうか。 追記: Elaph Publication:歌詞がちょこっと。
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